八尾のものづくりを世界へ広めるためのプロジェクト「YAOYA PROJECT」。このプロジェクトから誕生したゴムから生まれたシリコーングラス「KINJO JAPAN E1」の誕生の背景についてレポート執筆を担当いたしました。
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Photo:合同会社シーラカンス食堂
八尾のものづくりを世界へ広めるためのプロジェクト「YAOYA PROJECT」。このプロジェクトから誕生したゴムから生まれたシリコーングラス「KINJO JAPAN E1」の誕生の背景についてレポート執筆を担当いたしました。
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共創プラットフォーム「AWRD」は、「ニューノーマルを生き抜くヒント」と題して、新しいスタートアップの在り方を深堀りするオンラインセミナーを2020年9月30日に開催。 liilは、イベントレポート執筆を担当いたしました。 記事はこちらから。
只管(ただひらすら)「100%」を追い求め、ゆるぎない価値観を生み出すことをコンセプトに掲げ、ものづくりに挑むプロダクトメーカー株式会社100percent(以下、100%)、代表取締役 坪井 信邦さんへのインタビュー後編です。 前編はこちらから
― 坪井さんは会社の代表のほか、お坊さんとしても活動されています。ものづくりにおいて僧侶の影響はあるんでしょうか?
お坊さんって「雲水(うんすい)」とも表現されるのですが、本来お坊さんは流れる水や雲のように特定の場所を持たないものなんです。だから何かに固執してしまったり、止まろうとしたり、安定を求めたりするような存在ではない。昔はそうやって着の身着のままで移動して、施しを受けながら、布教をしていきました。
そんなお坊さんでも最低限の必要なものは持ってくじゃないですか。その時に、本当にこれは今要るかどうかとか、贅沢過ぎてないかとか考えて、過剰なものは持たないようにしているんです。それは私にとっても同じです。ものづくりにおいても、トゥーマッチなことは避け、いつの時代にも変わらない必要で大切なことを捉えてカタチにしていきたいと思っています。 ― アイデアを具現化する中で、大切にしていることや心がけていることを教えてください。
実は、僕は何事にもあまり執着がないんです。例えば、自分がどんな洋服を着てるかや貴重品を持っているかって、あまり価値がないと思っています。そのようにモノに対して執着がない僕がものづくりをするということは、要らないものは絶対につくっちゃいけないと思ってるんです。
一回作ったらその責任がある。失敗したから簡単に「すいません」はモノにも失礼ですしね。だから作る前に、自分の中のフィルターで本当にそれを作るべきかどうか、1ヶ月ほど毎日濾すようにしています。濾す作業を通して本当に大事なものを探します。まだ気づいてないけど、感覚的な部分ではみんな必要だと分かってるもの、商品を見てみんながすぐ腑に落ちる用途のアイテムをつくりたいんです。
必要なもものって意外とみんな気づかなかったりするんです、だからこそ100%でつくるべきだと思っています。もちろん時間をかけて作って、上手くいかないこともありますが、普遍的なことだなって思わないと、あんまりやるべきじゃないなと思うんですよ。
―だからロングライフなアイテムが多いのですね。
ものづくりには時間がかかります。簡単に新作とか出せないんです。だからこそ、つくる商品はロングライフを願いますし、そのために一度発売をした商品でも改良、ブラッシュアップを続けたり、パッケージ変えたり色変えたりとかしながら継続して世に送り続けています。
お寺の息子に生まれて修行したり、法事をおこなっていると、やっぱり物質社会から逸れるんです。もともとは何も持たない、何も執着しない、教えだけあれば他には何も必要なものはないのだというのがお坊さんなので。そこからすると、いろんなものを作るとか、技術や革新を追い求めるというところは、800年続く仏教からすると違うんです。
変わらないことを大事にして繋ぐことが仏教だったり、僧侶に求められてること。やるべきことは、余計なことをすることではなくて、次の代に繋げることなんです。曹洞宗の宗旨では「嫡嫡相承(てきてきそうじょう)」といいますけど。 ― 嫡嫡相承とは? 曹洞宗の教えに「嫡嫡相承」という言葉があります。簡単に言うと、誰かからもらったものを次につなげるという意味です。お経も出来上がってるし、教えもある、それをお釈迦様や先人が連綿と繋げてきたわけです。そこに今の時代に生きてるだけの一時的な自分ごときが、新しいものを生み出すとか、あなたレベルが、あなたごときがって話なんですよ。
だからこそ、不要なものもたくさんある現代社会で、普遍的で必要なものを次の代や何十年先の人も必要とするものを生み出すべきだと思っています。そういうところからものづくりは始めたいと思ってます。
― 今回、「TG」glassのPRでご一緒させていただきました。外部PR依頼する時にどのような視点で選ばれていますか?
依頼するときは、こんな人へ届けたいというイメージが共有できていることが重要だと思います。想定できない100人に届ける時に、闇雲に届けてるだけでは手にとってくださる確率が下がってしまいますよね。篠原さんは、「TG」というテーブルウェアを好きになってくださりそうな人へ的確に情報を届けてくれると思ってお願いしました。結果、いろんなメディアへも取り上げていただくことができ、掲載情報は営業ツールとしても活用しています。
ーそう言ってくださると嬉しいです。最後に今後挑戦したいものがありましたらお聞かせください。
コロナ禍にの中においても、結構アクティブに作っています。日本のみならず、台湾やインド、スリランカでも作っています。スリランカでは、ヤシの実のヤシガラの繊維を使ったプロダクトを開発中です。ヤシガラは100%有機物なので廃棄も容易にできてエコロジーなんです。少しでもそんな廃棄問題にもアプローチできるようなプロダクトを開発できればと思って、秋発売を目標に進めています。楽しみにしていてください!
坪井 信邦:
株式会社100percent代表取締役 1977年生まれ、2001年横浜国立大学経営学部卒業後、米国公認会計士試験に合格しロサンゼルスの会計事務所Oishi&Companyに入社、その後シリコンバレーのMoritex USA,IncでBusiness Administration, Import Managerとして勤務。在米中の2005年に株式会社100percentを弟のプロダクトデザイナー坪井浩尚と起業し、翌2006年9月に100%Design Londonで自社ブランド100%をデビューさせた。100%Design London、Maison&Object、Ambienteなどの海外見本市に出展。主な受賞はRed Dot Design Award, D&AD Award。2013年春より静岡県沼津市にオープンカフェ&インテリアショップ「Mission Bay」をオープン。 関連URL: 100%オンラインショップURL:https://100percent.stores.jp/
「TG」 glass 事例紹介:https://www.liil.com/post/「TG」-start