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直島・豊島に続き、恒久設置作品としては3作目、野外に設置される作品としては世界初
株式会社水と匠が運営を手掛けるアートホテル「楽土庵」(富山県砺波市野村島645)にて、現代美術家・内藤礼のコミッションワーク「返礼」を恒久設置し、2025年5月より公開を開始いたしました。
「返礼」は「タマ/アニマ (わたしに息を吹きかけてください) 」と、散居村の水田に臨む庭が一体となった作品です。「タマ/アニマ (わたしに息を吹きかけてください) 」は、幅3.65cm、長さ460cmの繊細な水路に水が張られた立体作品で、息を吹きかけることで生まれる波紋が水面を伝わり、その先に広がる散居村へと意識を誘います。
「返礼」は内藤礼が何度も砺波平野の散居村に通い、受け取ったものから、楽土庵のためにつくられました。鑑賞者が息を吹きかけることによって成立する今作品には、目に見えない土地や自然からのはたらきかけを受け取り返礼する、内藤ならではの感覚が込められています。
季節、天候、時間によって様々な色や表情が映される小さな水路は、時には昆虫やカエルも加わって、私たちと土地の自然をつなげます。宿泊客は滞在中自由に鑑賞でき(一部時間帯を除く)、宿泊者以外の方も事前予約制・有料(1,200円)にて鑑賞いただけます。
ー この息と水は一つのひかる波に変身し、向こうへ走り出す。私はそれを見ている。 生、それは顕れるとすぐさまどこかへ消えてしまい、私は後を追うこともできず、ただ見送る。 そして、再び息をする。 私たちを生かしている何かに対して「返礼」しようと思う。
生を受け取り生きていると、伝えようと思うのだ。 内藤 礼
ー

《返礼》
《タマ/アニマ (わたしに息を吹きかけてください)》2023年
水、ステンレススチールに塗装 91×3.65×460cm
庭 2230×1240cm Photo by Nik van der Giesen
楽土庵のために制作された作品。散居村の景観と鑑賞者を結ぶような水路と庭全体が作品となっている。鑑賞者が作品に息を吹きかけるという行為には、呼吸における“吸う”(受け取る)と“吐く”(返礼する)というメタファーが込められている。
楽土庵では、他にも内藤礼の作品《color beginning》と《ひと》が館内に設置されている。 楽土庵の宿泊者は滞在中自由に鑑賞可能(19:00~09:00を除く)
一般の鑑賞者は予約制・有料(1,200円)。
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